2010年01月28日
Ⅲ.研究内容その1・・・
Ⅲ.研究内容その1(長崎市の実績把握・分析~アンケートの実施)
1.長崎市の実績
長崎市の1年目の実績を少し詳細に振り返ってみます。
(1)名称
“がんばらんば長崎市”応援寄附金
(2)平成20年実績
7つの使途目的で48件・2,694千円の実績でした。詳細は次頁の【図表③】を参照下さい。
最初に断っておく必要がありますが、これは【図表②】に記載した数値と異なっています。【図表②】は“がんばらんば長崎市”応援寄附金以外の寄附金も含んでいるため、正確な「ふるさと納税」実績は上記の48件・2,694千円となるのです。
皆さんは、この実績をどう評価されますか。
他の自治体と比較しての評価もさることながら、全国に在住する長崎市出身者の規模、さらには長崎市の知名度からすれば、非常に寂しい結果と言わざるを得ないのではないでしょうか。
金額の多寡が問題ではなく、48件(人)という実績は桁が一つか二つ違うのではというのが、私たちの率直な印象でした。
また先ほど、「ふるさと納税」は税源の取り合いという側面があると申し上げましたが、現に「平成21年度寄附金税額控除に関する調べ」(総務省)を見ると、長崎市在住の方で「ふるさと納税」をされた方が2,407千円の市町村民税の税額控除を受けています。
これは、長崎市在住の方の「ふるさと納税」により長崎市の税収が2,407千円減少したことを意味します。
上記の「ふるさと納税」による収入2,694千円と比べると殆ど均衡した数値です。
県庁所在地である長崎市には、長崎県内の他市町出身の方が多くいらっしゃるでしょうから、そうした方々が出身の市町に「ふるさと納税」をされたものと想像されます。
つまり、「ふるさと納税」制度は、長崎市のような地方の中心となる都市に取っては、税収増ばかりをもたらすことにはならないのです。
導入初年の実績のみで判断するのは早計かもしれませんが、こうした実績を見ると、行政としてもっと積極的な取組姿勢があっても良いと思います。
(3)制度利用の促進を図るための取組
PR方法や納税(寄附)者への特典付与などの取組ですが、これについては、先進自治体との比較の中で紹介したいと思います。
2.先進市町村へのアンケートの実施
(1)はじめに ~入口での苦労
上述した実績を踏まえ、私たちは、「ふるさと納税」先進市町村を抽出し、そうした自治体の取り組みをアンケート形式で調査することにしました。「ふるさと納税」“勝利の方程式”をつかもうとの目的です。
意気込みはよしですが、これを具体的に進めるには二つの大きな課題がありました。
第一に、アンケート先と内容の絞り込みです。数多くの自治体に色々な項目について伺いたいところですが、メンバーは二人のみ。そう欲張ったことはできません。
対象自治体を相当に絞り込んだうえで、アンケート内容もポイントと思われる項目に絞り、かつ集約・分析のし易い選択肢形式を中心とせざるを得ませんでした。
第二に、アンケート調査の方法です。
「在京長崎応援団」の活動の一環という触れ込みでは、忙しい自治体がまともに相手にしてくれません。思案した挙句、長崎市東京事務所の神近所長と茨木係長に相談したところ快くお骨折り頂き、長崎市財政課を通じてアンケートを実施することができる運びとなりました。
長崎市市役所の関係の方々には本当にお世話になりました。
(2)アンケート対象自治体の抽出
先ほども紹介した「平成20年個人からの都道府県・市区町村に対する寄附金調べ」を基に、
1.人口あたりの寄付件数上位20位
2.寄付件数上位10位(政令市を除く)
3.人口あたりの寄付金額上位10位(但し、寄付件数が20件以下のものは除外)
の何れかの条件に該当する、以下の29自治体(8市10町11村)を対象としました。
北海道/東川町、滝上町、斜里町
青森県/平内町 岩手県/一関市、奥州市
新潟県/十日町市 茨城県/阿見町 山梨県/早川町、小菅村
長野県/根羽村、北相木村、王滝村、泰阜村、飯山市 愛知県/豊橋市
京都府/伊根町 兵庫県/香美町 奈良県/野迫川村、吉野町 和歌山県/北山村
島根県/海士町、出雲市 岡山県/新庄村
福岡県/大牟田市 熊本県/熊本市 鹿児島県/三島村、宇検村 沖縄県/座間味村
(3)アンケート内容
1.制度概要に関する質問
(1)特段の名称を付けていますか。付けている場合は、その名称を教えて下さい。
(2)設定されている使い道(使途目的)の具体的な内容について教えて下さい。
(3)2008年のふるさと納税(以下「納税」という。)実績について教えて下さい。
①金額
②件数
2.制度利用の促進を図るための取り組みに関する質問
(1)制度をPR・周知する手段として実施している取り組みを教えて下さい。
ア)ホームページでの紹介
イ)市報等での紹介
ウ)リーフレット・ポスター等の作成・配布
エ)高校同窓会等を通じたPR
オ)推進事務局等の特別な組織の設置
カ)その他(具体的に教えて下さい。)
(2)納税された方に対して何らかの恩典を付与していますか。付与していれば、その内容を教えて下さい。
(3)納税の利便性向上のために実施している取り組みを教えて下さい。
ア)クレジットカ-ドでの支払い可
イ)3大メガバンク(三菱東京UFJ、みずほ、三井住友)での支払い可
ウ)その他
(4)納税された方に具体的な使途内容をどのような形でフィードバックされていますか。
(フィードバックされる予定ですか。)
1.長崎市の実績
長崎市の1年目の実績を少し詳細に振り返ってみます。
(1)名称
“がんばらんば長崎市”応援寄附金
(2)平成20年実績
7つの使途目的で48件・2,694千円の実績でした。詳細は次頁の【図表③】を参照下さい。
最初に断っておく必要がありますが、これは【図表②】に記載した数値と異なっています。【図表②】は“がんばらんば長崎市”応援寄附金以外の寄附金も含んでいるため、正確な「ふるさと納税」実績は上記の48件・2,694千円となるのです。
皆さんは、この実績をどう評価されますか。
他の自治体と比較しての評価もさることながら、全国に在住する長崎市出身者の規模、さらには長崎市の知名度からすれば、非常に寂しい結果と言わざるを得ないのではないでしょうか。
金額の多寡が問題ではなく、48件(人)という実績は桁が一つか二つ違うのではというのが、私たちの率直な印象でした。
また先ほど、「ふるさと納税」は税源の取り合いという側面があると申し上げましたが、現に「平成21年度寄附金税額控除に関する調べ」(総務省)を見ると、長崎市在住の方で「ふるさと納税」をされた方が2,407千円の市町村民税の税額控除を受けています。
これは、長崎市在住の方の「ふるさと納税」により長崎市の税収が2,407千円減少したことを意味します。
上記の「ふるさと納税」による収入2,694千円と比べると殆ど均衡した数値です。
県庁所在地である長崎市には、長崎県内の他市町出身の方が多くいらっしゃるでしょうから、そうした方々が出身の市町に「ふるさと納税」をされたものと想像されます。
つまり、「ふるさと納税」制度は、長崎市のような地方の中心となる都市に取っては、税収増ばかりをもたらすことにはならないのです。
導入初年の実績のみで判断するのは早計かもしれませんが、こうした実績を見ると、行政としてもっと積極的な取組姿勢があっても良いと思います。
(3)制度利用の促進を図るための取組
PR方法や納税(寄附)者への特典付与などの取組ですが、これについては、先進自治体との比較の中で紹介したいと思います。
2.先進市町村へのアンケートの実施
(1)はじめに ~入口での苦労
上述した実績を踏まえ、私たちは、「ふるさと納税」先進市町村を抽出し、そうした自治体の取り組みをアンケート形式で調査することにしました。「ふるさと納税」“勝利の方程式”をつかもうとの目的です。
意気込みはよしですが、これを具体的に進めるには二つの大きな課題がありました。
第一に、アンケート先と内容の絞り込みです。数多くの自治体に色々な項目について伺いたいところですが、メンバーは二人のみ。そう欲張ったことはできません。
対象自治体を相当に絞り込んだうえで、アンケート内容もポイントと思われる項目に絞り、かつ集約・分析のし易い選択肢形式を中心とせざるを得ませんでした。
第二に、アンケート調査の方法です。
「在京長崎応援団」の活動の一環という触れ込みでは、忙しい自治体がまともに相手にしてくれません。思案した挙句、長崎市東京事務所の神近所長と茨木係長に相談したところ快くお骨折り頂き、長崎市財政課を通じてアンケートを実施することができる運びとなりました。
長崎市市役所の関係の方々には本当にお世話になりました。
(2)アンケート対象自治体の抽出
先ほども紹介した「平成20年個人からの都道府県・市区町村に対する寄附金調べ」を基に、
1.人口あたりの寄付件数上位20位
2.寄付件数上位10位(政令市を除く)
3.人口あたりの寄付金額上位10位(但し、寄付件数が20件以下のものは除外)
の何れかの条件に該当する、以下の29自治体(8市10町11村)を対象としました。
北海道/東川町、滝上町、斜里町
青森県/平内町 岩手県/一関市、奥州市
新潟県/十日町市 茨城県/阿見町 山梨県/早川町、小菅村
長野県/根羽村、北相木村、王滝村、泰阜村、飯山市 愛知県/豊橋市
京都府/伊根町 兵庫県/香美町 奈良県/野迫川村、吉野町 和歌山県/北山村
島根県/海士町、出雲市 岡山県/新庄村
福岡県/大牟田市 熊本県/熊本市 鹿児島県/三島村、宇検村 沖縄県/座間味村
(3)アンケート内容
1.制度概要に関する質問
(1)特段の名称を付けていますか。付けている場合は、その名称を教えて下さい。
(2)設定されている使い道(使途目的)の具体的な内容について教えて下さい。
(3)2008年のふるさと納税(以下「納税」という。)実績について教えて下さい。
①金額
②件数
2.制度利用の促進を図るための取り組みに関する質問
(1)制度をPR・周知する手段として実施している取り組みを教えて下さい。
ア)ホームページでの紹介
イ)市報等での紹介
ウ)リーフレット・ポスター等の作成・配布
エ)高校同窓会等を通じたPR
オ)推進事務局等の特別な組織の設置
カ)その他(具体的に教えて下さい。)
(2)納税された方に対して何らかの恩典を付与していますか。付与していれば、その内容を教えて下さい。
(3)納税の利便性向上のために実施している取り組みを教えて下さい。
ア)クレジットカ-ドでの支払い可
イ)3大メガバンク(三菱東京UFJ、みずほ、三井住友)での支払い可
ウ)その他
(4)納税された方に具体的な使途内容をどのような形でフィードバックされていますか。
(フィードバックされる予定ですか。)
Posted by 在京長崎応援団塾 at 03:07│Comments(0)
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